■百年の孤独(G.G.マルケス)
感性そのものが奇想天外、地球の裏側ともなるとこれほど違うのか、ぐいぐい引き込まれてしばらく帰ってこれなくなる。
■どくろ杯(金子光晴)
東南アジア的だらしなさが詩情たっぷりでたまらない。ねむれ巴里、西ひがしとで3部作。
人間を求め、もっとも望んでいるところでその体臭に苦しくなる、どこでも折り合えず、逃げるばかりでどこにも行けず、、、、まとまりのないまま世界を漂っているかんじ?
■冗談(ミラン・クンデラ)
存在の耐えられない軽さを考察できる。
■インドミニアチュール幻想(山田和)
かねてからのインドに関する疑問が解けて目からうろこが落ちる、この人の「インドの大道商人」もおもしろい、こちらは文庫本にもなってた
■バリ島物語(ヴィキイ・バウム)
この本、1937年に出版されたらしい。そして最近再販された。金窪勝郎訳。
植民地になる前のバリ人の世界観や生活、そして感性までもがうかがえてとてもおもしろい。
西洋の人から見た東洋が描かれているけど、それをまた日本人から観察すると、おもしろい。西洋の人にとって謎めいて不可解な東洋、そしてそれにその不思議さになんとな〜く虜になっていきつつ、やはり確固たるアイデンティティーに自らやっぱり気づいてる西洋のアーチストから見た神の島。神秘てき〜。その微妙なずれがしんぴてき〜。
でもやっぱりこの色とりどりの島のストーリーに私も虜になりました。なんでこんなに島のこと詳しく知ってるねん、と思ったら、バリに長年住み着いてた有名な画家ウォルター・シュピースにいろいろ教えてもらったらしい。ううん、それにしてもすごい。
■バリ島芸術をつくった男(伊藤俊治)
う〜む、いただけない題名だ。しかし、なかみはよかった。この島に感じていたなんとも言い表しにくい感じがうまく表現されていて、やられた、と思った。ウォルター・シュピースのことが割と公平に書かれてる気がする。
■インドいき(ウィリアム・サトクリフ)
(原著:ARE YOU EXPERIENCED? (WILLIAM SUTCLIFF))
インド旅していると笑える人にたくさん会える、本性をさらけ出した奇妙な旅人たち。この本を読んでみんなも楽しもう。
■金色の虎(宮脇勝典)
インドで新興宗教の教祖のもとで働くようになる主人公の旅と内面の葛藤。信じる者はそう簡単には見つからない。
■風車祭(池上永一)
247年間生きている妖怪に恋をする少年の物語。沖縄八重山の死生観にしっかり根ざした構想で読み応えがある。南国の小宇宙に翻弄されているうちにいつの間にやら気持ちよくなっている。98年の直木賞候補作だが、この作品が受賞しなかったなら一体どんな物語が受賞したのか全く不思議である。
■妖怪(司馬遼太郎)
室町時代の頽廃期、この頃世の中は混沌としていて、人々の世界観とその物語も奇想天外。
魑魅魍魎(ちみもうりょう)が跋扈(ばっこ)し、妖怪や生き霊があふれていた。最近流行の陰陽師よりもっと楽しい。司馬遼太郎氏は初期にいくつかの幻想小説がある。
■ねむり姫(澁澤龍彦)
■砧(世阿弥)
能の台本では幽霊やら生き霊や妖しのものたちが活躍する。
砧(きぬた)は、三年帰らぬ夫を待ち続けて苦しみながら死に、成仏できずに地獄でまた苦しむ妻の物語だ。悟りを開けず妄執に囚われたまま死んだ報いに、地獄に堕ちて苦しむあたりは現代と違う中世の価値観なのかなあ。能の物語は、シンプルで普遍的な題材だ。
■影をなくした男(シャミッソー)
■長靴をはいた猫(シャルル.ペロー作 / 澁澤龍彦訳)
グリム童話と重なったテーマでありながら、もっと残酷で不気味でプリミティブな物語集。本当は昔話はとても怖い。
■鏡子の家/美徳のよろめき(三島由紀夫)
味わっているうちにまたその手管に溺れてしまう。
■世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(村上春樹)
隠れハルキストは果てしない怠惰に浸りたくなるのだ。
■M/Tと森のフシギの物語(大江健三郎)
■熊を放つ(ジョン・アービング)
■悪霊/カラマーゾフの兄弟(ドストエフスキー)
精緻な世界に絡め取られて、次の日は会社に行けない。
■魔の山(トーマス・マン)
山間の集落で「魔の山」を思い出し寒気がした。後にそれはまさしく魔の山の舞台のすぐ近くの村だと知った。
■ペスト(カミュ)
■鏡の中の鏡(M.エンデ)